オウンドメディアを構築する手順14ステップ

オウンドメディアを構築する手順14ステップ

中小企業向けのコンテンツ制作、オウンドメディア制作の実績を多数持つ当社は、どのような手順でオウンドメディアを構築しているのか。今回は、4段階、14のステップに分けて、オウンドメディアの構築手順を説明します。

もちろん、目的や規模などによって、手順が複雑化したりします。しかし、まずは、単純化した、このようなプロセスを参考にして、とにかく前へ進めることが大切だと考えています。

オウンドメディア構築の4段階

オウンドメディアの構築するには、大きく分けて、4つの段階があります。

計画段階

企画段階

制作段階

公開段階

それぞれの段階の中身を簡単に説明すると、このようになります。

計画段階 リサーチ ユーザー行動、競合サイトなど、成功事例を調査
目的・目標設定 半年後、1年後の成果など、目安となるゴールを設定
予算確保 立ち上げだけではなく、更新の費用も含めた予算を確保
企画段階 基本設計 タイトルや更新頻度など基本的なルールを決定
スタッフィング 人員の配置、責任範囲の決定、外注先の確保など
キックオフ 社内発表など、目標達成に向けて具体的に行動開始
制作段階 詳細設計 各記事のテーマ、文字数決定など
デザイン・構築 デザイナー、コーダーへの発注など
記事流し込み 記事原稿や画像をオウンドメディアに掲載する作業
テスト 表示されるか、問い合わせフォームの稼働などを確認
公開段階 公開 いよいよ、サイトを一般公開
リンク設定 既存のサイトなどからのリンクを設定
公開告知 公開したことをプレスリリース、社内報、SNSなどで発表

以下、14のステップを、それぞれ見ていきましょう。

オウンドメディアを構築する手順14ステップ

1.計画段階

1-1 リサーチ

まず、次の項目は、必ずリサーチすべきです。ただし、大半のことは、日頃のマーケティング活動、顧客理解の作業の中でやっておくべきことであり、本来は、データの大半が、社内にあるものを流用できるはずです。

しかし、中小企業においては、基本的なリサーチすら行う習慣がない企業も多く、オウンドメディアの立ち上げをきっかけに、ユーザー行動などの基本的データを収集し始めてもいいと思います。

(1)ユーザー行動をリサーチする

  1. ユーザーはどういうキーワードで何を検索しているのか
  2. ユーザーはどんな疑問や課題を抱えているのか、何を知りたいのか
  3. ユーザーが頼りにしている情報獲得手段は何か。それはなぜ、ユーザーの信頼を獲得したのか
  4. ユーザーがついでに買っているものは何か
  5. 既存顧客で、理想的な顧客と呼べる人は、どんな人で、どんな行動をして顧客になったか

参考記事ユーザー行動分析のためのユーザーフロー66項目

(2)競合オウンドメディア(サイト)・目指すべきオウンドメディアをリサーチする

  1. 競合オウンドメディア・目指すべきオウンドメディアはどれか
  2. それらのオウンドメディアのどんな点をまねするべきか
  3. それらのオウンドメディアのどんな点をまねするべきではないのか

参考記事
オウンドメディアを内容別に13パターンに分類しました
オウンドメディアの記事の形式を11パターンに分類しました

まずは、上記8つの質問に答える形で、情報を集めていきます。社員同士のミーティングやブレストで意見を出し合ってもいいですが、実際の顧客に聞くことを忘れてはいけません。顧客に聞くための方法には、インタビューや、座談会などがあります。やってみると、本当に貴重な、宝物のような意見がもらえるときがあります。ほとんどの企業がこういう地道なことを避けているはずですので、やればやるだけ、ユーザーから支持される企業になっていきます。

また、「たった8つの質問でいいの?」という不安もあるかもしれませんが、上記の目的は、ざっくりと「新たに立ち上げるオウンドメディアが狙うべき方向性を把握するためのもの」であり、必要最低限に絞っています。

当然、予算や人員がしっかりと確保できる余裕があるのであれば、各種フレームワークを用いて、本格的なリサーチを行うべきですが、乱暴な言い方をすると、だからといって、うまくいくものでもないんですね。ですから、よく経営の格言で言われるように、「どうせ失敗するなら、早めに失敗してしまう」ことも重要なんですね。

中小企業であれば、小予算で始めて、学習しながら進めていけばいいと思います。また、当オウンドメディアに書いているような基本的なことを守れば、失敗はほとんどないと思いますが。

1-2 目的・目標設定

以下に紹介する9つの指標は、半年後、1年後の成果など、目安となるゴールです。ただし、これらのゴールは、あくまでも目安です。

1.記事数
記事数はいくつに増えたか

2.検索順位
狙っていた検索キーワードでの順位はどこまで上がってきたか

3.リンク元の数(被リンク数)
いくつのサイトからリンクしてもらっているか

4.アクセス数
アクセスがどれくらい増えているか

5.アクセス人数
重複しない(ユニークな)アクセス人数は何人か

6.サイト全体のコンバージョンレート(CVR)
アクセスしてきた人のうち、何%の人が、問い合わせなどのアクションをしてくれているか

7.購入金額・問い合わせ件数
オウンドメディアの成果として、どれくらいの売上げ金額や新規顧客数、問い合わせを得られたか

8.外注先・パートナー数
頼れる外注先が何人になったか

9.ほめてくれる人数
だれに褒められたか、どれくらいの人数に、どう褒められたか

誤解を恐れずに言いますが、こんなものは、ざっくりといきましょう!というのが私の考えです。もちろん、数字からわかることはたくさんあり、きちんと分析できれば、多大な利益をもたらしてくれるはずです。ただし、多大な利益をもたらしてくれるほどの規模になってから考えればいいと思います。そのときには、社内にデータ分析だけの専門家を配置するか、外部のプロに依頼するか、ということになってきます。

また、実際にプロが分析しても、まともな正解にたどり着けない、「必ずしも~の効果とは断定できませんが」という言い訳がついてまわるのも事実。

オウンドメディアを構築する手順14ステップたとえば、急にコンバージョンレート(たとえば購入率)が上がっても、記事のクオリティーではなく、ライバル店が閉店したから、ということが理由であったりするのです。駅前に二軒あったラーメン屋のうち、一軒が閉店したら、残るもう一軒の顧客が急増しても不思議ではありません。

ですから、中小企業の場合、そんな数字とにらめっこするようなことを理想とするより、むしろお客様の方をしっかり見て、なんとなくでもいいので、ざっくり評価で、どんどん前へと進めていくことをお勧めします。どれくらいの反応があれば、元がとれるか、ということくらい、計算できるはずです。

もちろん、私がこのように「ざっくり主義」で進んでいけるのは、「ざっくりではいけない要所」を理解しているからです。

1-3 予算確保

中小企業がオウンドメディアを構築し、運営を開始するまで、そして、構築時、立ち上げ時だけではなく、更新の費用も含めた予算はどれくらいでしょうか。およその目安を紹介します。

 ・オウンドメディア構築費用(デザイン費含む) … 50,000~500,000円

 ・記事執筆料 … 1,000~100,000円/記事 (×記事数)

 ・あとは人件費など

上記をご覧になっておわかりだと思いますが、もう、それはそれは、ピンキリいろいろありまして、一概に、いくらくらいとは言えません。

それでも、無理矢理妥当な金額を出せ、というなら、ざっくり、ホームページ制作会社に30万円くらい支払って基本的な部分を作ってもらい、記事は、1記事5,000円で外注し、30記事でスタートしたとしたら、15万円。合計45万円くらいで、ぱっと見て、「あ、オウンドメディアっぽい」と思えるくらいのサイトが出来上がるでしょう。

ちなみに、極限まで予算をけちったら、どうなるでしょうか。オウンドメディアにぴったりな無料のCMSであるWordPress(ワードプレス)を使って、自力で全部やったら、サーバー代なども入れて、たぶん、10,000円くらいで構築できます。記事の執筆もすべて自分です。写真は、自分で撮影するか、無料のフリー素材をもらってくるか、などします。イラストも自分で描いてもいいでしょう。下手なりに「味がある」と評価されたりしたらいいですね。

当社では、「ある程度、自分たちでやりたいけど、初期の構築と方向性の決定だけ手伝って欲しい」という人のために、こんなサービスも用意していますので、ご参考に。

参考サービスオウンドメディア セルフパッケージ サービス

2.企画段階

2-1基本設計

次の15個の項目だけは、基本的なルールとして、ここでしっかりと決めておきます。逆にいうと、たった15個でいいので、ちゃんと決めてくださいね、ということです。

1. タイトル
タイトルは、社名を入れて、内容をイメージしやすいものをまず第一に考えてみてください。「~商店の~入門」のように。ベタでもいいですね。それを考えたあと、ちょっとひねったり、思いっきりおしゃれにしてみたり、バリエーションを考えます。

ほかのオウンドメディアを見て、「このタイトルはいいね」というように参考にするのもいいと思います。社内公募みたいなのは、あまりやらない方がいいと思います。目的などを理解していない人が、適当に考えても、いいタイトル、名前など出てくるものではないからです。考えたタイトルを、「こんな名前だったらどうですか?」と相談する程度がいいと思います。

2. ドメイン
ドメインとは、「~.com」みたいなやつです。当オウンドメディアでいうと、「contentisking.jp」というやつがそれです。新規で取得するときは、「.com」「.net」「.jp」、法人で未取得であれば、1法人1個だけ取得できる「.co.jp」あたりがお勧めですが、まあ、テーマに沿ったもので、あまり入力しにくいものでなければ、なんでもいいと思います。

ちなみに「SSL」(URLがhttpではなくて、httpsとなるやつ)は必須ですので、このあたりがわからなければ、調べたり、詳しい人に確認するようにしてください。

3. 規模
記事数や記事のボリューム数のことだと思ってください。

4. CMS
オウンドメディアを構築する手順14ステップCMSとは、「Contents Management System(コンテンツ管理システム)」のこと。ブログやFacebookも、同じようなものです。平たく言うと、ログインして、フォームに情報を入力したら、ページとして公開される仕組みのことです。「オウンドメディア CMS」で検索すると、いくつも表示されますので、いいな、と思ったものを選んでください。

ただし、独自ドメインが使えないものは、あまりお勧めできません。ドメインパワーというものがありまして、独自に取得したドメインのパワーが上がっていけば、新しい記事も上位に表示されやすくなったりしますし、他社のシステムを使っている場合は、そのサービスが中止になったり、急なルール変更があった場合に、それに従わざるを得なくなり、自由度が下がります。

5. サーバー
「オウンドメディア サーバー」で検索すると、月額1,000円くらいから、さまざまなサーバーが用意されています。

6. ビジネスゴール
運営者である企業の目的です。問い合わせの獲得、イメージアップ、人材確保など、さまざまな目的があるでしょう。

参考記事これはありがたい!オウンドメディアの10の効果

7. ユーザーゴール
ユーザーにとっての目的です。ユーザーにどういう気分になってほしいのか。ユーザーがサイトをどんな目的で訪れるのか、ということをリストアップします。

8. ターゲット
ターゲットは、単純にセグメンテーション変数を書き出すだけではなく、その感情が大切です。具体的には、「子供がいる20代の女性」とかではなくて、「子育てに悩みを抱えていて、昼間は相談する人が周囲にいるし、気が紛れることも多いけど、夜になると不安になったりする。でも、さすがに夜は相談できる人もいなくて、寂しいし心細がっている女性」というように、どんなことで困っているか、などを書くのが大事です。そんな人の心に、ちょっとした安心の灯をともせるようなオウンドメディアなら、どうでしょうか。

勘違いをしていただきたくないのは、ターゲットを絞っているのではない、ということです。ターゲットを絞るのは、市場規模を縮めますので、あまりお勧めできません。それよりも、ターゲットの心情を深く掘っていくことをお勧めします

「ターゲットは、絞るのではなく、掘り下げる」

ということです。

また、オウンドメディアは1つしか作ってはいけない、ということではありませんので、ターゲットごとにオウンドメディアを立ち上げていくのもいいでしょう。

9. 検索キーワード
どんなキーワードで検索したときに、上位に表示されてほしいのか、を決めます。たとえば、「ワイン」ではかなり難しいですし、そもそも「ワイン」で検索する人が何をしたいのか、あまりわかりませんね。目的がある人は、「ワイン 通販」「ワイン レシピ」「ワイン うんちく」など、複合キーワードで検索します。

地域の商圏でがんばっている中小企業や店舗であれば、「横浜市 エステ」など、地域名もキーワードに含みます。ユーザーの気持ちになって、成果に直結するキーワードを考えてみてください。

10. トーン・マナー
トーン・マナーは、どういう雰囲気で、どんな語り口調で、というような、キャラクター、オウンドメディアの性格のことです。暖かい雰囲気で、元気な感じで、など、あいまいな表現でもいいので、設定しておきましょう。

11. 更新頻度
必ずしも毎日更新する必要はないですが、最低でも、週に1回は更新するといいでしょう。オウンドメディアの評価が安定してきたら、月に1回の更新でも、それなりに効果が発揮されることもあります。ネタの有無、外注予算などによって、現実的な目安を設定しましょう。

12. 必須更新日
会社の周年記念日や、商品の発売日など、絶対に更新しなければならない日をあらかじめ決めておく、ということです。また、「販売総数10,000台突破!」「お世話になっている業者さんの創立記念日」など、記念日になる日は、他の部署などからもデータをもらっておいて、みんなで盛り上げていくといいでしょう。

13. 公開日
いつ、何時に公開するか、という日を決めておきます。後述しますが、公開後にすべき行動もあらかじめ計画しておきます。

14. 中間評価日
いつ、中間評価をするか、マイルストーンのことです。「1-2 目的・目標設定」で紹介した9つの指標でチェックします。

15. 閉鎖日
オウンドメディアを閉鎖する日、つまり、終わりはあるのでしょうか。たとえば、役割を終えたオウンドメディアは、いつまでも放置せず、古い情報が残っていることがだれかに損害を与えるのであれば、サイトごと削除することも必要です。たとえば、「最新医療情報!」のようなサイトが2010年で更新が止まっていたりすると、内容によっては健康被害を引き起こすことになったりしますので、やはり、それなりに配慮が必要です。

基本的には、企業が継続する限り、オウンドメディアも継続させればいいと思います。事業売却するなどのときに、その事業の評価額を上げてくれることになるかもしれませんね。

2-2 スタッフィング

責任者(編集長)はだれか、その他担当者と責任範囲を明確にしておきます。兼任の場合は、ほかの仕事への影響を考え、オウンドメディアのために確保すべき時間の下限と上限を決めておきましょう。

外注先を確保するのも、この段階で、「ランサーズ」「クラウドワークス」「シュフティ」「ココナラ」と言ったサービスをチェックするなどして、めどを立てておきます。

2-3 キックオフ

オウンドメディア構築を開始するにあたって、社員の協力も得ながら、目標達成に向けて具体的に行動を開始するための、キックオフミーティングです。上記で決定した目的、目標などを読み上げて、公開時には積極的にSNSで発信してもらうなど、協力してもらえる体制を作っていきます。

3. 制作段階

3-1 詳細設計

下記の記事などを参考に、各記事のテーマや仮タイトル、それぞれのおよその文字数、記事公開日などを決定していきます。スケジュール管理アプリや、エクセルの表などにすると管理しやすいですね。

参考記事
オウンドメディアを内容別に13パターンに分類しました
オウンドメディアの記事の形式を11パターンに分類しました

3-2 ライティング

実際に記事の執筆します。取材に出かけたり、外注先ライターへの発注業務など、上記の記事公開スケジュールに併せて、ライティング業務を進めます。めでたく炎上とならないように、誤字脱字のチェック、不適切な内容や表現が含まれないか、も編集長がチェックします。編集長がそういったチェックが苦手なら、記事チェック自体を外注してもいいです。

3-3 デザイン・構築

オウンドメディア本体の制作作業です。社内にデザイナーがいるのであれば、そのスケジュールを確保してもらい、デザイン制作を依頼します。外部のデザイナーへの発注する場合も、見本サイトなどを指示して、当初のイメージとできあがりのズレがなるべくないようにしていきます。

私の経験上、見本サイトをつけないと、なかなかいいサイトにはなりません。見本サイトをつけても、それを無視して、期待を下回るレベルのデザインが納品されてくるような場合、残念ですが、そのデザイナーさんは見込みなしと判断した方がいいでしょう。一概には決めつけられませんが、安いデザイナーさんには要注意です。

3-4 記事流し込み

記事原稿や画像をオウンドメディアに記事として、掲載していきます。

3-5 テスト

スマホで見たとき、タブレットで見たとき、パソコンで見たとき、それぞれきちんと表示されるか、問い合わせフォームがあれば、実際に問い合わせをしてみる、電話番号があれば、実際に電話してみる、など、チェックしてみてください。

テンプレートを使い回していたデザイナーに制作を依頼したときに、メールの送信先が、まったく知らない他社になっていて、びっくりしたことがあります。出来たつもりになっていてはテストの意味がありませんので、上から下まで、きちんと2人以上でチェックしましょう。

4. 公開段階

オウンドメディアを構築する手順14ステップ

4-1 公開

いよいよサイトを本サーバーで一般公開します。「Search Console(サーチコンソール)」の設定なども忘れずに。

4-2 リンク設定

既存の企業ホームページやSNSなどからのリンクを設定します。

4-3 公開告知

オウンドメディアを公開したことを、プレスリリースや社内報、SNSなどで発表します。

以上、上記14のステップでオウンドメディアを構築していきます。

オウンドメディアを制作・構築する過程からの学べること

オウンドメディアを構築していく過程で、学べることを多くあります。

  • ユーザー行動の把握と理解
  • ターゲットの深掘りによる新たな顧客接点の確保
  • 外注パートナーとの関係性構築ノウハウの蓄積

など、経営にとって、いずれも重要なことです。

何度も書きましたが、もっと1つ1つの項目を時間と予算をかけて、細かく詳細に進めることも可能ですし、当社でも予算次第でお引き受けすることもできますが、まずは、準備を開始していくことが大切です。

オウンドメディア構築のためのイメージトレーニングにもなりますので、何度も、この記事を読み直しみてください。

オウンドメディアの全体像を理解するためには、こちらの記事も必読です。

参考記事オウンドメディアとは何か(オウンドメディアの全体像、効果、分類、構築法から予算まで)

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