求人・採用コンテンツ制作ガイド(4)

求人・採用コンテンツ制作ガイド(4)

 
この一連の記事「求人・採用コンテンツ制作ガイド」は、あと数記事続きます。

ここまでをお読みになって、もしかしたら、精神論のようなものが多くなっている印象を受けられるかもしれません。

しかし、勘違いしていただきたくないので言及しておきますが、ロジカルな精神論を展開しているわけでして、けっして、思いつきの感情をそのまま書き殴っているわけではありません。

人間は、感情で動きますので、結局は、人に行動してほしいというのであれば、「どういう感情になってもらえるか」次第です。

ですから、「目的のあるライティング」をする場合は、人の気持ち、心理というものに興味を持って調べつつ、行動したくなるような心理、行動を妨げている心理を理解して、何を書くかが最終的に決まります。

文学や芸術の場合、目的が自己表現であったり、心象の記録であったりしますので、相手の心理への配慮は少なくてもいいかもしれません。

また、精神論を語ることで、書き手の人間性がより如実に伝わるようになったりします。そして、コンテンツマーケティングにとって重要なファクターであるコンバージョンレートの改善につながることも事実です。

参考記事「精神論はオウンドメディアに必要不可欠なコンテンツである!」

求人・採用においても、うまく、いかない、というのは、人の心理に関係することであり、求人や採用が下手な企業の経営者や担当者は、具体的手法の以前に、考え方や心構えが間違っていることが多いのです。

そこのねじれや歪みを正すだけで、求人や採用活動がうまくいくこともあります。それを踏まえた上で、あと数記事、おつきあいください。

求人や採用の活動の成功体験の扱い方

「昔はこの求人方法でうまくいった」「今、当社で活躍してくれているAさんは、この方法で採用できたのだから、この方法を変えるわけにはいかない」といった、非論理的、非科学的な考え方で、求人や採用方法を捉えている人がいます。

こういった過去の成功体験をどう処理するかも、じつは、かなり重要な点です。

「去年はうまくいった。でも、今年はあまり集まらない…」
「あの職種ではうまくいった方法が、こっちではダメだった…」

過去の成功体験に縛られていると、どうしてもそのやり方にこだわり、素直に反省したり、変更したりできなくなります。しかも、過去の成功体験に縛られていることは、自覚しにくいことなのです。

では、どうすればいいのでしょうか。

まず、毎年新しく戦略を練り直す、くらいのつもりで求人・採用活動をスタートしていく必要があるということを理解してください。

今年こうしたから、来年も自動的にこうする、ということにはならないのです。

企業もずっと同じところにじっとしているわけではありませんし、周囲の環境も変わります。変化を恐れず、逆に変化させるのが当然と思って、常に「新しさ」を追及していきましょう。外部環境の変化や、内部環境状況の変化を反映した新しい求人戦略を毎年立てていきましょう。

そのための学びのきっかけとして、この一連の記事も参考にしていただければと思います。

常識通りやって失敗する「失敗事例量産工場」

私たちはどうしても業界の常識に縛られてしまいます。そんな常識を疑ってみましょう、うまくいかないときほど。

常識は疑うためにあります。

常識は、いつも、適度に古くなってくれます。そして、私たちに学びの材料を与えてくれます。

あなたがこれから企業を作るとします。全くの0からです。

営業を開始し、なんとかお客さんも増えてきました。そこで、初めて人を雇うことになりました。

知り合いの紹介などで適任の人材がいればよかったのですが、あいにくそのような人は見つかりませんでした。そのとき、あなたならどうしますか。

企業として機能させるためには、どうしても人を雇わなくてはなりません。どうしますか。
おそらくほとんどの人がまず求人広告を出すでしょう。

求人広告企業に連絡を取り、早速担当者が現れました。

「何人くらい募集されるのですか?」「予算はおいくらですか?」「じゃあこれぐらいの枠でどうでしょうか?」「お給料はおいくらでしょうか?」「なるほど。それでしたら、この枠がいいでしょうね」「ここにはこういった情報を載せましょう」「どんな人に来てほしいですか?」「どんなお仕事内容ですか?」

このように、一通り必要だと思われる内容を聞かれます。しばらくすると、担当者が取材の内容を原稿にして持ってきてくれました。あなたは原稿のチェックをします。
「これで人が集まりそうだな。我が社もそれなりにかたちになってきたな」

ここで、もし、こうした方がいいのではないか?と思っても、

「専任のライターが書きますので」

という一言を思い出して、遠慮して、書き直しを依頼できません。

また、書き直しを依頼しようとしても、どこをどうしてほしいか、明確に伝えることができません。

こうして、日々、どこかで見たような求人広告、WEBサイトが出来上がっていくのです。

そして無事に求人広告の掲載が始まりました。あとは電話が鳴るのを待つだけ。履歴書が届くのを待つだけです。

いくら待っても、電話も鳴らず、履歴書が届きません。そして、採用できず……。

このやり方が一般的なやり方、つまり「求人の常識」なのかもしれません。

ほとんどの企業がこのように「常識」通りにやっているはずです。
そして、ほとんどの企業が失敗しています。 そして、その失敗している企業のやり方を「常識」だと思って真似をします。そして、また失敗します。

世の中、当然のことが当然のこととして発生します。

「常識通り=うまくいかない」

ということなのです。常識通りだからうまくいかない、うまくいかないのが常識。

どちらが鶏でどちらが卵かわかりませんが、「うまくいかないのが常識」ということになっているので、だれもが疑うことなく求人広告をまた出すのです。

求人広告会社の営業担当者にクレームをつけても、

「うーん、御社の業種は結構難しいですからね。どこも苦戦しているんですよ」

と跳ね返されるだけ。

まさに、失敗事例量産工場です。

なぜ、こんな事態が起こってしまうのでしょうか。

「求人とはこうするものだ」という一般的な常識を疑っていないからなのです。
常識は疑うためにあります。今までの求人の常識はもはや通用しません。
新しい工夫なくして、求人の成功はありません。

求人・採用で成功するには、求人で成功している企業のまねをするのが原則です。

ですが、失敗している企業をまねしている企業が多すぎます。

失敗している世間の常識通りのやり方をまねするのではなく、毎年優秀な人材を集めている企業について、なぜうまくいくのかを研究し、まねしようとする人はほとんどいません。

まずは、他社の求人広告や求人情報サイトなどを見て、いいところはまねする姿勢を持ちましょう。

求人・採用の失敗の原因を、業界のせいにしてはいけませんし、日本の若手人口の減少のせいにしてもいけません。少なくとも、同じ状況の中で、求人に成功している企業が一社でもある以上は、責任を他者に押しつけることはできないはずです。

もし、教育制度や業界、人口動態のせいにして求人・採用の問題が解決するのであれば、いくらでも、それらのせいにしたらいいと思いますが。

「従来通りのことをやって発生した失敗」と、「新しいことをやって発生した失敗」の、どちらが価値があるでしょうか。

やはり、新しいことをやってみることが大切なのです。

ここでいう新しいこと、というのは、何も、世界中のどこにもないやり方ではありません。

「自社にとって新しい」ということでいいのです。

ですから、他社の手法もまねしましょう、ということになります。

新しいことができない理由

なぜ、新しいことができないのでしょうか。求人・採用活動に限らず、普遍的なテーマのような気がしますが、少し考えてみました。

少なくとも、「自社にとって新しい」ことができないのは、次のいずれかのエネルギー源が足りていないケースが多いのではないかと思います。

ビジネスにおいて、エネルギー源となるのは、おもに次の4つです。

  • 知恵=書物や成功者から学ぶ、異分野のノウハウ、成功事例
  • お金=経営者が勉強する費用、求人広告費、労働環境改善の経費
  • 時間=考えたり歩き出したりするということ、行動すること
  • 目的への情熱もしくは楽観論=絶対に成功できるんだという気持ち、覚悟

私の経験上、人間というものは、上記のいずれかが満たされるだけで、それなりに動きたくなるものです。

智恵・お金・時間・目的悩んでいるだけで、エネルギーを注がないのであれば、何もやっていないのと同じことになります。それなりのエネルギーを注ぐことを決めてください。注いだ分だけ、返ってきます。注いだ分しか、返ってきません。当たり前のことです。

ぜひ、エネルギー源が足りているかチェックしてみてください。

また、求人・採用活動は、経営者や人事担当者だけの仕事ではありません。

社内全体で求人・採用活動の重要度を上げると、より効果が出てやすくなります。自分の意識だけではなく、周囲の反応も変化してきます。

企業として重要なことは、売上や利益を上げ、収益力を高めることです。
ですが、「求人や採用の力を高めること」の重要度ももっと上げていいのでは、と思います。

売上目標はあっても、求人目標はないという企業が多いのは、まだまだ求人の大事さが認識されていないからかもしれません。

たとえば、社内全体で求人・採用活動の重要度を上げるためには、こんなことができるかもしれません。

  • 採用目標を経営計画に盛り込んで共有し、協力を依頼する
  • 採用の成果について発表する場所を設ける
  • 求人・採用に関して貢献したスタッフを表彰する

など、できることはあると思います。

求人自体は経営者一人が孤独にやることではありません。社員の協力と参加を促しましょう。求人は、社員にとっても「いっしょに働く人を集める活動」であるからです。

また、社員の参加は自分たちも企業を作っていく一員なのだ、という当事者意識を高めてくれます。

求人・採用活動に関する社内事前アンケートの項目例

求人や採用活動について、社員たちがどう思っているのか、ということを把握することは、たいへん重要です。

求人専用サイトや採用コンテンツと呼ばれるものを制作するときにも、これらは役立ちます。

そんな社員の現在の思いなどを把握したければ、このようなアンケートを実施するといいでしょう。

  • この会社をどんな企業にしたいですか?
  • そのためにどんな人と一緒に働きたいですか?
  • そのために自分はどうあるべきですか?
  • もっと社外にアピールした方がいいと思うことは何ですか?
  • 会社として改善した方がいいと思うことは何ですか?
  • 自分のどんな意見や行動が社風、社内の空気にどのように影響していると思いますか?
  • 自分は外部の求職者からどう見られたいですか?

正直、ちょっと答えにくいような項目もあると思います。ですが、このようなアンケート結果から、おそらく経営者と社員の思いの間にズレがあることがわかるでしょう。

見たくない現実がそこい現れているかもしれません。このアンケートを「恐怖のアンケート」だという経営者もいました。

しかし、このように、一度、「ズレているのが見える状態」を作るのがポイントなのです。

そのズレをより少なくするために、話し合ったり、相互理解を深めたりする過程で、一つの方向性が見えてくるはずです。一つ上のレベルの共有です。

こうやってまとめていくと、ズレがなくなり、一本筋が通った集団へと成長していけるかもしれません。

求人・採用コンテンツ制作の土台づくり

そして、これらの作業が、長期的に効果を発揮する、珠玉の求人・採用コンテンツ制作の土台となって役立つことになるのです。

優れた求人・採用コンテンツというものは、何も、奇をてらったような、面白いもの、変わったもの、というものではありません。

社員と経営者が一体になって、いい企業を作り上げていくという気持ちがにじみ出ているような求人サイトであったり、採用コンテンツを作るためには、必要な作業なのです。

上記のような、「面倒くさい作業」をきちんとしておくことで、たとえば、よくある、「先輩社員の声」に登場してくれることになる、社員一人一人の表情や、コメント内容が変わってくるのです。

人間には、そういうコンテンツを作った人々の背景を、きちんと感じられる直感のようなものが備わっています。

あらゆるコンテンツ制作の根底にあってほしいもの

私は、あらゆるコンテンツには、それがウソでないことを期待します。そのため、あらゆるコンテンツ制作の根底には、真実に近づける意図があってしかるべきです。

採用コンテンツにおいても、

「当社は魅力的な企業ですよ!」

といいことばかりを言うのは簡単です。

ですが、逆に、当社の悪いところはこんなところ!と正直に発表している企業の方が、もしかしたら、求職者から信頼され、企業としても魅力的に感じてもらえるかもしれません。

これが本当の意味でのコンテンツが持つパワーです。

どれだけウソがないかが、コンテンツのパワーを決めます。

せめて、いいコンテンツを作るために、上記のようなアンケートをはじめ、経営者が企業の現状に向き合って、

「やばい!いい企業だと思ってもらえるために、今からいい企業にするぞ!」

と大慌てで行動を開始する、ということでもいいと思います。

付け焼き刃だとわかっていても、そんな努力を始めるような経営者であってほしいと思います。

今より早いことはないのですから。

今からでも遅くない!いい会社にするぞ!

 

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