おもしろ広告コンテンツの作り方(3)経営課題を解決するために事業のサービス範囲の広さを誇張して伝えたコンテンツ制作事例

おもしろ広告コンテンツの作り方(3)経営課題を解決するために事業のサービス範囲の広さを誇張して伝えたコンテンツ制作事例

 
オウンドメディアを柱としてコンテンツマーケティングを推進するときに、やはりバズってくれる記事はありがたい存在です。

なによりクライアントの集客効果や売上げにも貢献しますし、「自分の作ったコンテンツが人々に受け入れられているんだ」という実感はコンテンツ制作者を大いに勇気づけてくれます。

今回はおもしろい広告コンテンツはどのように企画し、制作するのか、そしてどのような反響があったのかを解説、レポートした特集記事の第3弾です。

第1弾は、当社が柔らかいコンテンツも作れることを、突っ込みどころが多数含まれるまんがを用いて示した「おもしろ広告コンテンツの作り方(1)ボケの型を活用したコンテンツ制作事例」です。

第2弾は、企業の雰囲気を伝えるだけではなく社員紹介も兼ねた求人広告コンテンツについて解説した「おもしろ広告コンテンツの作り方(2)企業の雰囲気を伝える求人・採用コンテンツ制作事例」でした。

第3弾も、前回同様、クライアントは奈良県にある有限会社森建築板金工業様の事例です。

「屋根の上のコスプレイヤー企画」の制作背景

今回取り上げるのは、当社が企画・制作した「森社長奮闘記!屋根の上のコスプレイヤーでお困りの必見!」というおふざけコンテンツです。

クライアントの森建築板金工業様は、奈良県にある雨漏り対策、屋根修理を手がける企業です。すでに東京、大阪など、全国に複数の拠点がありますが、これからも新しい地域へと積極的に進出していくため、ブランディングや人材獲得、そしてSEO効果を期待して当社に依頼されました。

「顧客を笑顔にする商売=笑売」という森社長の考え方もあり、ユーモアがあって笑える、面白いコンテンツを期待されていましたので、今回もかなり自由に発想させていただきました。

集客面の経営課題を解決するためのコンテンツを

森建築板金工業の抱える集客面の経営課題(一部)は次のようなものでした。

  • うさんくさい業者と同じと思われて気軽に相談してもらえない
  • 緊急の雨漏り以外は相談されない
  • 雨漏りがひどくなってから相談されるので工事費が高くなってしまう場合が多い

翻すと、「もっと早く、気軽に、安心して相談してほしい」ということを多くの人に伝えたいという意向があったのです。「早い相談」が顧客と自社の双方にメリットがあるということは明確だったのです。

そこで、上述のようなメッセージを、前回ウケたおばかな企画コンテンツとして表現していくことになりました。

そこで、「コスプレイヤーが屋根に現れる」という、まずありえないシチュエーションを設定し、そんなときでも対応できるということを示すストーリー仕立てのコンテンツを制作することにしました。

そして完成したのが、「森社長奮闘記!屋根の上のコスプレイヤーでお困りの必見!」です。

本当に存在するかもしれないと思えるリアルさを追求して、このようなバナーまで作りました。
屋根の上のコスプレイヤー対策サービスバナー

ちなみに、企画段階でのストーリーボード、つまり絵コンテ(初稿の一部)がこちらです。
「屋根の上のコスプレイヤー」ストーリーボード

ダウンロード資料
オウンドメディアのネタ帳「屋根の上のコスプレイヤー企画」絵コンテ(PDF形式・2ページ)
※クリックすると絵コンテのダウンロード可能です。ご参考に!

コスプレイヤーをビジネス(広告宣伝、PR)に活用するメリットと意味

近年、コスプレイヤーは大手企業の広告宣伝やイベントに出演するほど、多方面で活躍しています。

だからといって「コスプレイヤーを使えばオタクや若者が食いつくらしい」というような浅はかな考え方では、そのメリットは生かしきれません。

もし、コスプレファンの注目を集めたいのであれば、コスプレイヤー特有の存在感や背景を理解した上で、彼らのノリを誘えるかどうかが、広告宣伝としての成否を分けると思います。

同時に、伝えたいことが明確であれば、コスプレイヤーの存在感も生きてきます。つまり、「場所を選ばず、自分たちの世界を楽しみたい」という多くのコスプレイヤーの意向が、「たとえ、屋根の上でもコスプレを楽しむ」というありそうできっとない(でも、もしかしたらあるかもしれない)行為につながり、今回の企画を成立させるのです。

要は、ちゃんと考えてキャスティングしましょう、ということです。

屋根の上でコスプレイヤーが叱られている画像

連鎖的メディア掲載&SNS拡散効果

今回は、コンテンツ公開と同時に各メディア向けに、ユニークなキャンペーンとしてプレスリリースを行いました。そのおかげで、多くの媒体でニュースとして取り上げていただくことができました。

プレスリリース 「「屋根の上のコスプレイヤー対策サービス」開始記念 無料診断&プレゼントキャンペーンを開始」(ドリームニュース)

参考サイト 「『屋根の上のコスプレイヤー対策サービス』を奈良の会社が開始 え、どういうこと?」(おたくま経済新聞)

結果として、10以上のニュースメディア系サイト、50以上のまとめ系サイトに転載されることになりました。

特にいわゆるゲーム系まとめサイトやSNSなどにネタとして取り上げられてからは、多くの関連ツイートがありました。

また、日本のオタク文化は海外でも人気が高く、海外からも注目されたようで、Googleアナリティクスによると全体の約10%のアクセスが海外からのものでした。

屋根の上のコスプレイヤー アナリティクス

一般ユーザーのニュースへの反応、レビューとしては、好感度が高いものが多かったのですが、それでも批判のようなものがありました。

それでもおもしろ広告コンテンツへの批判はつきもの?

今回は「屋根の上」での撮影を行ったことから、「危険じゃないの?」「ヘルメットもかぶらないの?」という批判が予想されました。

そこで、ページ下部には「安全面には十分に配慮して撮影を行いました。」「安易に屋根の上に登ることは危険ですのでお控えください。」という注意書きを添えた上で公開しました。

それでも「落っこちたらどうするんだ」というようなレビューの書き込みがいくつか見られました。あくまでも数件ですし、想定の範囲内でしたが。

もちろん、コンテンツの質が低かったり、コンテンツへの説明が不十分な場合など、勘違いや誤解を招く方にも負い目はあるでしょう。しかし、そういった批判に過剰に反応していたら、コンテンツ制作者の萎縮につながるはずです。

たとえば、高校生がイカを活け締めする動画を公開したところ、批判が殺到し、その後、その批判への批判が相次ぐという事態がありました。

どうやら、人は自分がにわかに受け入れられないようなショッキングなものを見たときには、批判など攻撃モードになることがあるようです。

参考サイト イカ「活け締め」動画に「虐待」指摘 「食ったことないのか?」と諭す声

屋根の上のコスプレイヤーの撮影時の注意点

ちなみに今回の撮影は、次のような点に十分に注意して行いましたので、この場で弁明しておきます。

屋根の上のコスプレイヤーの撮影時の注意点

 

  • あらかじめ絵コンテなどを所属事務所さんに提出し、屋根の上での撮影であることを伝えて人選してもらった
  • 傾斜が緩くて平たい屋根を選び、事前に屋根の拭き掃除をして、スリップしにくいような準備や対策をした
  • 撮影時には、コスプレイヤーさんたちの動作を最低限にして、所定の位置までスタッフが慎重に誘導し、必ず静止した状態で 小道具も静止してから手渡すなど、十分な配慮をした

ちなみに撮影を担当したスタッフは、撮影の日から3日間ほど筋肉痛になったらしく「傾斜があるところでバランスを取るのは、日常で使わない筋肉を使うなぁ」と申しておりました。

屋根の上のコスプレイヤー

おもしろ広告コンテンツ(おばかコンテンツ、おふざけコンテンツ)の危険性と注意点

おもしろコンテンツ(おばかコンテンツやおふざけコンテンツと呼ばれるものを含む)と言われるような部類に属する今回の広告企画ですが、企画段階での身内だけで盛り上がりすぎて、勢いだけの冷静さを欠くようなものであれば、コンテンツを公開した後、多くの批判や非難にさらされる可能性が高くなります。

自社だけでやっているなら「炎上上等!」とか「炎上したらかえってラッキー」というような「炎上狙い」の態度を取っていてもいいかもしれませんが、当社のようにクライアントのために制作する案件の場合などは、避けるべき炎上は避けなければなりません。

おもしろコンテンツを制作するときに知っておくべき危険性や注意点は次のようなものです。

  1. だれかを傷つけたり、不愉快にさせるようなもの
    一方的な、特に社会的に強者と言われる人からの物の見方からの言動、下品な行為や表現など、ユーザー、特に弱者と言われる人々の心情への配慮が足りない行為などで、だれかの気持ちを逆なでするような企画はすべきではありません。

    参考サイト

  2. 倫理的に批判されるべきもの
    だれかを危険な目に遭わせたり、食べ物や動物の命を粗末にするような企画や、資源の無駄使いにつながるような行為は許されないでしょう。
  3. 法令に違反するようなもの
    火を使ったりする(消防条例違反)などの危険行為や、景品表示法、動物愛護法など、さまざまな法律や条令に注意が必要です。
  4. 意図がわかりにくく誤解の恐れがあるもの
    「これは冗談です。本気にしないでください」というようなことをコンテンツ内に書くのは無粋ですし、面白みを半減させてしまいます。しかし、本来の意図がなかなか伝わらないときもあります。できるだけ本来の意図が伝わりやすくなるように表現の工夫をすべきです。
  5. 公私の区別がついていないもの
    自らのファン層を明確に狙っているのであれば問題ないですが、仲間内だけで盛り上がっているだけの企画でユーザーを置き去りにしたようなものなどは、ひんしゅくを買うことになりがちです。また、公の目に触れるようなことを逆手にとって、身内に恥をかかせたり、いじめるような行為も気分は悪くなりますね。このケースは当然、名誉毀損や侮辱に当たることがあります。公開すべきではないものを公開してはいけません。

コンテンツマーケティングに携わる人の中にも「表現の自由」と「公開の自由」の区別が付いていない人は多いようです。どんなコンテンツでも自由に作ってネット上で表現していい、ということではありません。

参考記事 「オウンドメディアの記事に書かない方がいい5つのこと」
参考サイト Google 検索における最新の品質向上について(2017年4月26日)

愛のあるコンテンツを作ろう

ぜひ、背景に愛があるコンテンツを制作しましょう。

一見、何かに対する痛烈な批判に見えても、きちんとコピーライティングでフォローしたりして、土台に愛のある、さわやかな印象を残すようなコンテンツだといいと思います。

コンテンツを最後まで見たり読んだりせずに批判だけをする人もいますので、表現者、つまりコンテンツ制作者はいつも批判されるリスクを背負っています。

そのリスクがイヤなら、安全圏の中で月並みなコンテンツに終始するか、攻めていて面白いけど、ちゃんとインパクトを残せるような「やられた感」があるようなコンテンツを作れるように努力しましょう。

批判を恐れるあまり、だれにも刺さらないコンテンツを作ってしまうクセがある人は、ターゲットユーザーを絞ってみるといいでしょう。全人類だれにでもウケるコンテンツなど、なくていいのです。

参考記事 バズるコンテンツの作り方とバズの起こし方

また、愛がないコンテンツの効果の持続時間は短いような気がします。愛がないコンテンツでは、きっと浅い感動しか与えられないからです。

コンテンツ制作者のみなさん、最後には愛。愛ですよ!忘れないでください。

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