バズるコンテンツの作り方とバズの起こし方

バズるコンテンツの作り方とバズの起こし方

「バズる」とは、TV番組などの影響力が大きいメディアなどがきっかけとなり、SNSなどで一挙に話題となって、比較的短期間に情報が拡がることを言います。

コンテンツマーケティングに関わっている者からすると、バズるコンテンツを作りたいという気持ちになることは自然なことだと思います。

今回は、バズを起こすために、どうすればいいのか、バズる原因から、バズるコンテンツの作り方までを、コンテンツマーケッターの立場からお話しますね。

人の根源的欲求からくる3つの情報

人にはいくつかの根源的欲求があります。

一番基本的なものは、生存欲求です。とにかく、生命を維持していくための欲求です。

次に、知識欲求。新しいことを知りたいという、好奇心です。

最後に、所属欲求というものがあります。これは、集団、コミュニティーに所属していたい、その一員として認められていたい、という欲求です。

これら、生存欲求、知識欲求、所属欲求という3つの欲求を満たしてくれる情報を、人は求めています。

人の根源的欲求からくる3つの情報

 

1.生存欲求に起因する情報

災害時の避難指示、疫病などにかからないための医療に関する情報など。平常時には別に知りたくないが、生命の危機に貧したとき欲しくなる情報です。

2.知識欲求に起因する情報

知ったときにある種の快感を伴うような情報です。「へえ~」「なるほど!」と思えるトリビア的な雑学なども、知る喜びを満たしてくれる情報です。また、知った喜びや楽しさを共有したいという願望にもつながります。

3.所属欲求に起因する情報

仲間はずれにされるのを避けるための情報のことです。根底には、自分だけが知らないことがあると不安になる心理が働いています。思わず「わかる~」と膝を打つような「あるある」などもこれに含まれます。つまり、「そのように感じるのは、やはり自分だけではないんだ」という確認ができる情報です。

いずれも、本人にとっては、自分の欲求を満たしてくれる価値ある情報です。

そして、共通点として、いずれも、ついつい共有したくなるような性質を持つ情報だということがわかります。

コンテンツマーケティングを成功させるには、このように人の欲求などの心理面に注目することが大切です。

バズる情報とバズらない情報の違い

上記のような、生存欲求、知識欲求、所属欲求という3つの欲求に起因する情報が、バズる可能性が高い情報と言えるでしょう。

ツイッターなどでバズった情報などを振り返ってみると、たしかに、ほとんどのケースが、上記のいずれかに当てはまることがわかるでしょう。

それに対して、日常で困ったときにだけ、検索したら出てきてくれる「お役立ち情報」などは、上記には含まれず、バズる可能性は低いと言えます。

なぜなら、「今、このタイミングで共有する必要性」が少ないからです。

たとえば、「インコの飼い方」は、まず、バズらないでしょう。「ミシンの直し方」もそうですし、「ある政治家の生い立ち」などもそうです。

逆に、バズる情報は、「猛毒を持つヒアリを近所の草っ原で発見した」などというような情報です。こういった情報は、今すぐに、だれかに教えてあげたくなります。そういう使命感すら感じる人も多いでしょう。

また、上記の「インコの飼い方」の例で言うと、「寿命を10倍にするインコの飼い方」や「インコのあのニオイは、えさによって変化するよ」というような情報は「知る楽しさ」があり、バズりやすくなります。

ここまできて、わかってくることは、バズる情報とバズらない情報の違いとは、

  • 今、このタイミングで共有する必要性がある情報か、どうか
  • だれかに教えてあげたくなる情報か、どうか

というところにあると言えるでしょう。

バズらせる人は限られている

もう1つ注意しなければならないのは、必ずしも、ほとんどの人がバズの原因となる行動、つまり、SNSでの拡散などを行うわけではない、ということです。

多くの人は「バズの傍観者」として、その情報が、やがて忘れ去られていくのか、定着していくのかを見守ります。

ちなみに、その中で、何かの拍子で、傍観者から情報伝達者へと変わることがあります。

その「何かの拍子」とは、ユーザーの日常の行動や感情、インサイトに興味を持つことで理解、発見することができます。

参考記事「ユーザー行動分析のためのユーザーフロー66項目」

いずれにせよ、初期のバズは、どのコミュニティーにも一定割合で存在する「情報発信好きから情報発信好きへ」と拡がっていきます。

そして、複数の情報源から、同様の情報が入ってくるときになったとき、人は、それを「バズってるな」と判断するようになります。

また、「ファッション業界でバズる」というような現象が起こるように、たとえば、ファッションについては、自らをモデルにして、積極的に発信するインフルエンサーのような行動を取る人でも、政治的なことには、一切関知しない態度を取ることが普通です。

つまり、同じ人物でも、情報の分野によって、その情報への態度を変えることも理解しておくべきです。それが、「まず、だれを対象に情報を伝達すべきか」ということ慎重に選び抜いていく姿勢につながります。

これができるようになると、「意図的にバズらせる」ことができる可能性が高まります。

バズに関するいくつかの欠点

バズには、コンテンツマーケティングの視点から見て、多くの利点があります。

しかし、バズにはいくつかの欠点もあります。

たとえば、「しょせんはバズでしょ」と揶揄されることがあるように、バズとは、短期間で終わるようなブームに近いものでもあります。それがバズと呼ばれる時期を乗り越えて、一定の範囲の人々の間に浸透していけば、それはもはやバズではなくなります。

また、注意しなければならないのは、それが真実かどうかは関係がない、ということです。

オックスフォード英語辞典は、2016年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」に、「ポスト・トゥルース(ポスト真実)」という言葉を選びました。

「ポスト・トゥルース(ポスト真実)」とは、おもに政治の分野で、客観的事実よりも、感情や個人的信念に訴えるものの方が影響力を持つことを指す言葉です。

フェイクニュース(偽の情報)がネットで拡散されることが広く問題視されるようになるなど、ネット社会になって、SNSなどによる情報の拡散が加速することによって、さまざまなマイナス要素も浮き彫りになってきています。

人間の脳は一貫性を求めます。

自分の欲求や自己像との一致を求めるというクセが、脳にはあるのです。つまり、自分の思いや自分の意見に似たものに反応しやすく、また、重要視する傾向があるのです。

その結果、知っているもの、近くにあるものを、より優れたものであると判断しがちなのです。

客観的情報よりも主観的情報が勝つということです。

長時間勤務をものともせず、国のためを思って働いている、遠くの国家公務員の些細なミスをあげつらい、「悪しきエリート」だと批判しておきながら、村役場に勤めて、毎日、新聞を読んで一日を過ごしているような親戚のおじさんは、お年玉をくれる「いい人」なのです。

コンテンツ制作者には、このような、人間ならだれもが持つ思考のゆがみ、メンタルモデルをも理解しておくことが求められます。

バズが引き起こす「負の側面」を、きちんと想像できる力が求められているということを言いたいのです。

小さなバズ「限定的バズ」の起こし方

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いきなり、日本中で話題になるような「大きなバズ」を起こすことは非常に難しく、運や、決定的なタイミングも必要としますが、「小さなバズ」なら、狙いやすいでしょう。

コンテンツマーケッターが、まず目指すべき「小さなバズ」とは、「限定的バズ」です。

限定的バズとは、「子育て主婦の間だけでバズらせる」「東京在住のWEB制作会社だけに絞ってバズを狙う」というような、範囲、ターゲットを絞って、その中での影響力を重視したやり方です。

範囲の絞り方は、次のように考えるといいでしょう。

「限定的バズ」の範囲を絞るための3つの質問

 

1.もともとその情報の必要性や知りたいという願望がある人はどんな人?

2.もともとその分野の知識や体験が少しはある人はどんな人?

3.伝えなくてはならない理由がある人はどんな人?

そして、よりスムーズに情報を伝搬させてバズを起こすためには、次の3つのものをそろえることが大切です。

1.知識レベルをそろえる

相手が知っている言葉だけを使うようにします。相手にわかりやすい例えなどを示して、「知らない=どうでもいい」ということにならないようにします。

何かについてまったく知らない人を相手にするのではなくて、ほどよく知っている人を相手にすることがポイントですから、そのために、あらかじめ伝えるべき情報をすり込んでおき、知識レベルをそろえることが大切なのです。

2.感情をそろえる

共感されるような感情をセレクトし、それをベースに話題を切り出します。

たとえば、「猫を見るとほっとする」というフレーズより、「会社を休むことを上司に電話する前に、猫を見るとほっとする」というフレーズの方が、会社を休むことを上司に電話する緊張などを想起できて、感情がそろうわけです。

3.価値観をそろえる

言い換えると、欲望のベクトルをそろえる、ということです。

たとえば、「今日は、似合う色の選び方についてお話します」ではなく、「鏡を見たときの自分がいつもより元気に見えたらどうですか?きっと、その日1日を楽しく過ごせるでしょう。今日は、似合う色の選び方についてお話します」というように、鏡の前に立つシーンとそのときの感情を想像してもらうわけです。

上記の3つの要素をそろえていくことは、情報に主観性を吹き込むことだとも言えます。

これらの作業を日々のコミュニケーションの中で実践していくと、次第に、相手は、あなたのことを無視できなくなっていきます。

その無視できなくなった人たちを「自社用インフルエンサー」として捉え、その人たちに向け、今、このタイミングで共有する必要性がある情報、だれかに教えてあげたくなる情報を発信していきます。

そして、その現象を観察している「傍観者」へと伝わっていきます。

さらに、複数の情報源から同様の情報が伝わってきたときに、それは「バズ」だという印象を持って迎えられます。

バズを起こせる人に共通している特徴

狙ってバズを起こせる人は数少ないですが、彼らはどのようにして、その能力を鍛えているのでしょうか。あくまでも私が接してきた、そういうコンテンツメーカーの特徴をお話します。

まず、彼らは、コンテンツを制作する段階から、かなり楽観的に考えていると言うことが挙げられます。「絶対バズるだろう」「バズるのは目に見えている」という自信を持って取り組んでいる人が多いのです。

そのように楽観的な態度で向き合うことには、一定のメリットがあります。それは、ほんの少しのわずかなバズに気づきやすくなり、そこから最大限のことを学んでいける、ということです。

期待していたほどバズらなくても、それを「ほとんどバズらなかった」と捉えるのではなく、「少しはバズった」と捉えているのです。

断っておきますが、これは精神論ではありません。きちんとした合理的な理由があるのです。

たとえば、わずか5名がリツイートした、という結果に終わったとき、「どういう人がリツイートした?」「なぜリツイートした?」「その人たちは、日頃、どういう情報に限ってリツイートしているだろう?」というように、その5名について、最大限の情報を得ようとします。

そして、意気揚々と、その共通点を持つ他の人たちを探す、次の冒険に出かけていくのです。

つまり、普通の人が失敗だと判断して見逃してしまう小さな成功へのヒントを、失敗の中から拾い上げることに長けているのです。

ダンプカー1台分の砂を見せられて、その中に、100万円相当のダイヤモンドの粒が隠されていることがわかっていたら探す気になれますが、入っているかどうかわからない状態では探す気になれないのと似ていますね。

オウンドメディアの記事をバズらせるための情報の質と量

オウンドメディアの記事をバズらせるためには、その記事に含まれる情報の質と量に関して、次のようなポイントを押さえるといいでしょう。

情報の質

1.新しさ

バズるコンテンツの作り方とバズの起こし方
すでにだれでも知っているような古い情報を発信したところで、だれかの役に立ったとしても、バズが起きるような結果にはなりにくいのです。

新しさとは、「キリマンジャロ」は「キリマ(山)」+「ンジャロ(輝く)」と区切る、というような事実のことも含みます。多くの人は、「へえ~、知らなかった」となるでしょう。つまり、その情報の受け取り手にとって新しいか、どうか、という判断基準です。

ちなみに、フランス国旗の「トリコロール」は、「トリ(3つの)」+「コロール(色=カラー)」と区切ります。

2.正確さ

通常、間違った情報は、いずれ訂正の力が働き出し、消えていきます。そして、それを発信した人には、それなりのペナルティーが待っているはずです。

正確な情報には、その背景も含めて、本物だけが持つ奥行きのようなもの、深みがあります。1つの情報に付随した、他の真実も含めて、その情報の価値を高めてくれます。

3.発信者

だれが発信した情報か、ということも、その情報の価値には影響を与えます。それは、客観的な価値も含みますし、同時に、主観的な価値も含みます。

4.キーワード

正しい言葉選びは、印象のコントロールにも不可欠な要素です。少々過激なキーワードを含む記事の方が、記憶に残ったり、拡散されやすくなります。

5.一貫性

発信される情報を、さらに信頼性の高いものにするには、一貫性が重要です。言うことがころころ変わっていく様は、人々に信頼されることにはつながりません。

情報の量(回数)

1.十分な多さ

情報量が十分に多いこと、伝えるのに足りるだけ揃っていることが大切です。情報量、記事の場合は文章量が多い、というだけで、単純に、信頼性が高まり、熱意すら感じられるようになります。

2.まとまり

情報を、安易に複数回数に分けずに、一気に伝えてしまう、ということも大切です。読み手が、そのテーマの世界に浸ることができるからです。

また、まとまっていた方が、単純に役立つ、ということでもあります。

たとえば、「赤ちゃんが熱を出したときの対処法」というテーマの記事であれば、「今回は37度までの熱について書きますね。38度以上は次回です。」と書かれていたら、どう思いますか。そういう性質の記事は、すべての体温のケースをまとめて書いておいて欲しいものですね。

私自身、このオウンドメディアやクライアントのオウンドメディアの記事を設計したり、書いたりするときは、一つのテーマであれば、「続きはまた今度」というように複数回に分けるのではなく、長い一本の記事になってしまったとしても、一回で、まとめて情報を発信することを心がけています。

3.重なり

同じような情報であっても、何度も繰り返し伝えることも重要です。それは、前項で指摘したように、一つのテーマを無理矢理複数の記事に分けるのではなく、同じメッセージを、切り口を変えたりしながら、読み手が忘れたころに改めて伝えたり、対象ユーザーを変えて伝えたりしていく、ということです。

一回で伝わることの方が少ないので、同じようなメッセージでも飽きずに伝えていくといいでしょう。

そういう記事たちのベースがあって、どこかのタイミングで、記事がバズることが十分にあり得るのです。

記事の質、ということに関しては、こちらの記事もぜひ、読んでください。

参考記事「SEOなんて、もうやめろ!SEO対策を卒業する方法」

バズの原因になる残り2つの欲求

冒頭で、人の根源的欲求として、生存欲求、知識欲求、所属欲求という3つの欲求を挙げました。

じつは、あと2つ、知っておいて欲しい欲求があります。

まず一つは、承認欲求です。これは、「認めて欲しいと思っている人に認められたい」というもので、私的な夢、願望の発現でもあります。

もう一つは、貢献欲求です。これは、「だれかの役に立ちたい」というものです。公的な夢とも言えます。言わずもがな、根底にあるのは、自分の「よりよく生きたい」という欲です。

バズを起こす原因になってくれる情報伝達者たちは、これら2つの欲求を満たすために、SNSなどで拡散していきます。

つまり、整理すると、こうなります。

どんな情報がバズるか:

 生存欲求、知識欲求、所属欲求という3つの欲求を満たしてくれる情報

どんな人がバズらせるか:

 (その分野で)承認欲求、貢献欲求という2つの欲求を満たしたいと思っている人

オウンドメディアの記事でバズは狙うべきか

今回は、バズ、という目に見えにくい現象を説明していますので、少々難しく感じられたかもしれませんが、日頃から、こんなことばかり考えて、コンテンツを制作しています。

この記事を読んだからと言って、にわかにバズが起こせるようなものではない、ということも感じられたかもしれません。

私たちのようなコンテンツ制作を生業にする者だけではなく、だれもが広く、しかも簡単に情報発信していける時代でもあるわけですから、これからも当たり前に、しかも、毎日のように起こる、バズという現象について、ある程度の知見を持っていても損はないと思います。

最後に、オウンドメディアの記事でバズは狙うべきか、ということについて。

オウンドメディアを立ち上げて、それぞれの記事を、丁寧に書いていった場合、どこかのタイミングで、記事がバズる可能性は大いにあります。

その可能性を高めるための考え方、方法は、この記事で書きました。

たしかに、バズは一過性の現象であり、そのメリットは一時的なものであるようにも思えますが、「あのバズった記事が掲載したオウンドメディアなんだ」という評価は消えることがありません。

めでたく記事がバズったら、その後日談で、アクセス数をもう一稼ぎする、ということだって出来るのです。

また、SEOの視点からもメリットは多くあります。

この記事を参考に、ぜひ、バズる記事、バズるコンテンツを狙ってみてください。

ちなみに「オウンドメディアとは?まんがでわかるオウンドメディア入門」も、ちょっとでも笑ってもらいたい、そして、少しでもバズってくれたらいいなぁ、という下心で制作しました。

みなさんの反応が楽しみです。

参考ページ
笑えて役立つ!おもしろコンテンツの作り方(1)ボケの型を活用したコンテンツ制作の事例
笑えて役立つ!おもしろコンテンツの作り方(2)企業の雰囲気を伝える求人・採用コンテンツ制作の事例

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